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丹波立杭焼 丹窓窯 ~兵庫県篠山市~

 


日本六古窯のひとつ丹波立杭焼(たんばたちくいやき)50軒以上ある窯元の中のひとつに丹窓窯さんがあります。窯元、丹窓窯(たんそうがま)さんは江戸時代から続く八代目。陶主は市野茂子さん。2011年にご主人で七代目の市野茂良さんを亡くされ現在は茂子さんが8代目を継承、娘さんとお手伝いさんと窯を切り盛りされています。

ご主人の市野茂良さんは1939年に渡英しバーナードリーチ氏の工房、セントアイヴスで学びスリップウェアを丹波に持って帰ってこられました。幼い子供を連れて茂子さんも渡英し10ヶ月ほどリーチ先生と同じ屋根の下で暮らしていたそうです。

リーチ先生は本当にお優しい方だったそうですが、ロクロを回す時は必ずネクタイをビシッと締めて正装されたそうです。まさに英国紳士ですね。またリーチ先生の奥様(ジャネット・リーチさん)は丹窓窯で2年間勉強されていたそうで、リーチ先生と市野家が家族ぐるみの関係だったことが伺えます。

バーナードリーチさんに関しては本で読んだり民藝展などの展示で見たりするだけでしたので、生きていた頃のリーチ先生を知ってる方の生のお話が本当に面白く、こんなにワクワクするものかと思いました。

当時のスリップウェアの評価は、市野茂良さんが英国で学んだスリップウェアを日本に持ち帰ってきた1940年代前半、大阪の百貨店などで展覧会に出しても見向きもされなかったそうです。

江戸時代から続く老舗の窯に、英国の手法を持ち込むとは当時周りから見たら考えられなかったことだったんだろうなと想像しました。当時はピッチャーやコーヒーカップなどという形も珍しい時代にそれを、しかもスリップウェアの手法で作っていらしたとは、、、まだ見ぬ英国と丹波の融合を試み、新しいものづくりをしたいと市野茂良さんが丹波で積み上げされました。今、奥様の茂子さんと娘さんが一生懸命継承されているその生き生きとしたお姿に感動を覚えましたし、伝統にモダンを融合させたその心意気が丹窓窯には宿っていると感じました。

伝統的でありモダンである。

 

丹窓窯さんのうつわは、英国から持ち帰った伝統と、丹波の伝統、ふたつの異国の文化が合わさった日常の美しいうつわです。