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茂生窯 ~沖縄県読谷村~

 

沖縄県読谷村に工房を構える茂生窯さん

現在は2代目の上江洲史朗さんが陶主でいらっしゃいます

 

線彫り、イッチン、指描きなどの伝統手法を駆使したのち

優しい絵付けが施されたやちむんには唯一無二の世界観があります。

この世界観に多くの人々が魅了され日本中ファンがいる作り手です。

 

登り窯を中心とした伝統的なやちむん作りに命を燃やしていらっしゃっており

奥様のまき子さんと二人三脚で愛情こもったやきものを作られているのも茂生窯を語るうえで外せない要素です。

まき子さんの素晴らしいマーケティング力と斬新なアイデアで陶工にアドバイスなどもされており

インテリアにもなる楽しいモノを作ったり新しいこころみの中から生まれたやちむんに出会えるのも楽しみのひとつです。

 

 

上江洲史朗さんは2023年沖展賞を受賞されました

受賞作「厨子」は白化粧の美しさと丁寧な作りが印象に残る作品で

陶工、玉城望さんの素晴らしい総評が印象に残ります

 

~下記総評~

上江洲史朗さん沖展賞受賞おめでとうございます。受賞作「厨子」は白化粧の美しさと丁寧な作りが印象的な作品です。八角形の御殿型厨子甕は屋根が三重構造で台座を擁していて、蓋・胴・台座と3つに分かれます。蓋は手びねりで成形され屋根中央には宝珠が取り付けられています。胴は木型で成形し、上部に屋根、中央にはミガチ(銘書)と僧形の人物像が7体配されています。台座の装飾は蓮華を手びねりで施しています。

モミガラを混ぜた赤土で成形し、白化粧掛けとシルグスイ(透明釉)のみで仕上げられていますが、そのシルグスイは薄めにかけられており、化粧土に登り窯による火色がつき、暖かみを携えた仕上がりとなっています。台座の花弁などはキレが出やすいのですがキズもなく、成形、乾燥、焼成と慎重に進められた様子が伝わります。

このような美しく、やさしい厨子に魂を納めたら、安らかな気持ちになると思います。次回の作品も期待しています。沖展賞受賞おめでとうございます。 

                        

                     以上沖縄タイムスより 玉城望さんからの総評