吹きガラス でく工房
愛犬デク
作り手の中村一也さんの愛犬です。
「でく工房」
工房の名前はこの愛犬の名前からとっています。
中村一也さんは2005年頃から沖縄に移り住み、琉球ガラスに出会い魅了されます。 2010年に故郷伊勢に戻りご自身の工房を立ち上げました。
愛犬デクとの出会いも沖縄。 沖縄に住んでいる時飼い始めたワンコです。 伊勢に一緒に戻ってきて、工房の名前を「でく工房」と名付けました。
沖縄時代に4年半修行していた先は、当店でも定番でお取り扱いさせて頂いている「ガラス工房清天」さんです。私自身もお会いして瞬時にファンになってしまった親方に「一也」「一也」と可愛がられ沖縄での日々を過ごしました。
親方との面白すぎるエピソードに車事件があります。 一也さんが車を欲しがっていたら、とある日親方が勝手に中古の車を買ってきたそうです。その話が最高過ぎて忘れる事ができません。もちろんお金も請求されました 笑
清天の親方は、いきなり宇宙の話をしたり、いきなり中学生と友達になったり、ポケモンが本職と言ったり、それでいて作るガラスが最高だったり。一也さんも言います「あんなにうつわのお大きい男は居ない」と。
実は一也さん。ガラスの世界に身を置くまでは全く違う仕事をしていました。 沖縄に行く際も、まさかガラスの世界に入るとは思ってもみなかったそうです。 環境を変えたくて行った沖縄で琉球ガラスに出会うのです。
手先が器用な一也さんの工房は、炉から型から道具まで、全て一也さんの手作りの道具で溢れ返っていました。「これ何ですか」「これ何ですか?」と聞きたくなる道具でいっぱいです。 植木鉢を改良してガラスの型を作ったり、ガラスを伸ばす棒には中日新聞が巻き付けてあったり 一番大切な炉も高温になりやすいような工夫を細工して全て手作りです。 信じれない思いと、単純にかっこいい!といいう思いでいっぱいになりました。
でく工房は三重県伊勢市にあります。 伊勢神宮の前に流れる五十鈴川。あの五十鈴川がちょうど河口に流れ着くあたりに工房があります。 まさにお膝元で、神聖な空気が流れつく場所のようにも感じます。
その地には「エスサイダー」といってローカルのサイダーがあります。 味も見た目も昔のものを復刻させたレトロなサイダーです。
でく工房のガラスの原料は全てこの「エスサイダー」の空き瓶を使用しています。
透明でつるっとしていて、少し緑みががったその瓶は、まさに「でく工房」のガラス製品の色です。
昔からあらゆることに「透明」を好む一也さんは、混じらせてできる気泡があまり好きではないので ガラスは混ぜることなく1種類のみを使用し純度を守って作ります。 色々混ぜると気泡が出来やすいのだそうです。
透明感と繊細さ細かいうねり、沖縄の琉球ガラスの温かみを帯びながらも独特の神聖なるデザインと軽さがあります。
初めて飼う猫の名は「ポンタ」と決めていた。といきなり訳の分からない事を言って笑わす一也さん。親方に可愛がられるのも無理もない茶目っ気たっぷりの人柄で、工房のことも、伊勢のことも、デクのことも、ポンタの事も、もう一匹いるクロ(猫)の事も大好きになりました。
一也さんは写真もとても上手で、一也さんの撮る写真には時が止まったような「瞬間」を感じます。 「スピード」が命のガラスづくりで鍛え上げた俊敏さが、一瞬を常にとらえているように思いました。
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